2025年10月2日、フィリピン環境天然資源省(DENR)は、化学物質制御命令(Chemical Control Order, CCO)の改訂案を公表しました。 今回の草案は、ベンゼン(Benzene)の管理対象範囲を拡大し、申請手続きを合理化する内容を含んでいます。

 

主な改訂内容

  • 管理範囲の拡大:ベンゼンを「製造・輸入・供給・使用・保管」するすべての事業者が対象となり、ライフサイクル全体を通じた報告義務が強化されます
  • 対象用途の明確化:現行の対象製品に加えて、塗料・コーティング、接着剤、印刷インキなどの用途が新たに管理対象として言及されています
  • 書類提出の簡素化:草案では、登録・許可に必要な添付書類や技術データの提出要件を整理し、手続きの迅速化を図る方針が示されています。 具体的な内容は「試験データ提示の簡略化」「電子提出の導入」など、書類体系の見直し段階にあるとされています
  • 登録・報告制度の改善:既存のCCO体制を基盤に、ベンゼンを含む製品の製造・販売・輸入状況の届出制度が拡張される見込みです。 販売・輸出先情報の報告義務については、今後の確定版で明記される可能性があります

 

まとめ

フィリピン政府によるベンゼンCCO改訂は、化学品管理制度の透明性向上と行政手続きの効率化を両立させる取り組みです。 最終版の公布時には、対象用途・提出書類・報告要件の詳細が正式に定められる予定です。

分析や品質管理に関わる事業者にとっては、製品中のベンゼン含有量を正確に把握し、記録・報告可能な体制を整備することが一層重要になります。

 

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