2025年10月9日、欧州化学品庁(ECHA)は、デカブロモジフェニルエタン(DBDPE)を高懸念物質(SVHC)として特定したと発表しました。正式なSVHCリストへの追加は2025年11月に予定されています。
背景と理由
- DBDPEは、従来の難燃剤デカブロモジフェニルエーテル(DecaBDE)の代替品として広く使用されています
- ECHAは、DBDPEが非常に難分解性かつ高蓄積性(vPvB)であると判断
- これにより、欧州域内での段階的な廃止・代替促進が進む見込みです
主な用途
DBDPEは以下の製品で使用されています:
- 樹脂(HIPS、ABS、PVC、PPなど)
- 接着剤・シーラント、塗料、潤滑剤、ワックス、印刷インクなど
SVHC指定後の企業義務
- 単体販売:SDS(安全データシート)の提供が必須
- 混合物中に含有(≥0.1%):請求があればSDSの提供が必要
- 成形品(製品)中に含有(≥0.1%):
- 下流ユーザー・消費者から請求があった場合、45日以内に情報提供(無料)
- 年間1トン超輸出する場合、6か月以内にECHAへ届出
- SCIPデータベースへの登録義務(2021年以降)
まとめ
今回のDBDPEのSVHC指定は、EUにおける臭素系難燃剤のリスク管理をさらに強化する動きの一環です。
今後、製品中の含有物質に関する透明性や情報管理の重要性が一層高まることが予想されます。企業は、規制の進展を注視しつつ、必要に応じて自社製品の組成や原材料を確認し、法令遵守に向けた体制を段階的に整えていくことが求められます。
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