2025年8月20日、日本の厚生労働省(MHLW)、経済産業省(METI)、環境省(MOE)は、化学物質審査規制法(CSCL)の施行規則改正案を公表しました。今回の改正は、不純物の扱いや既存化学物質の定義などを明確化し、通知制度を整理するものです。

 

主な改正内容

  1. 不純物の取扱い(第1条関連)
    • 従来: クラスI特定化学物質が副生成物として微量含まれる場合、安全性が確認され濃度低減が技術的に可能であれば規制対象外
    • 改正: 副生成物だけでなく、不純物として微量含まれる場合も同様に扱う
    • クラスII特定化学物質、監視化学物質、優先評価化学物質、新規化学物質は原則として混合物中1%未満なら規制対象外。ただし、不純物や副生成物の扱いはケースごとに判断が必要で、一律に対象外となるわけではありません
    • 一般化学物質は10%未満なら規制対象外
  2. 既存化学物質の定義と通知制度(第2条関連)
    • 既存化学物質の定義を明確化(CSCLの条文に基づき整理
    • 製造・輸入に関する通知を「総則」に統合し、規則を体系化
    • 無水物・水和物はともに既存化学物質として扱うと明記
    • 有機ポリマーや複合物(ダブルソルト、ブロックポリマー等)の分類方法を整理
  3. 規制対象物質の分類基準(第3条関連)
    • 既存化学物質と見なされる物質の扱いを明確化
    • 構造に特定物質を含む場合、それぞれ該当する規制に従う
    • 通知義務(製造数量等)は、含有する規制物質ごとに区分して適用

 

施行スケジュール(予定)

  • 公布:2025年9月下旬
  • 施行:2025年10月1日より段階的に開始(すべての改正が一斉に適用されるわけではなく、経過措置や適用時期が規定される見込み)

 

まとめ

CSCL施行規則の改正により、不純物・既存物質の扱いがより厳密かつ明確になりました。企業は今後、規制適合のために分析データを根拠としたコンプライアンス管理を強化する必要があります。また、「1%未満で規制対象外」といった基準はあくまで原則であり、個別のケースでは例外もあり得る点に留意し、経過措置を含む施行スケジュールに注意を払うことが求められます。

 

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