2023年8月17日に施行されたEU新バッテリー規則(Regulation (EU) 2023/1542)に基づき、2025年から拡大生産者責任(EPR)制度の全面的な適用が開始されました。
この制度は、EU市場にバッテリーやそれを内蔵した製品を投入するすべての企業に義務を課し、基準を満たさない場合は販売禁止や制裁金などの処分を受ける可能性があります。
規制の背景と目的
- 従来のバッテリー指令(2006/66/EC)に代わる新規則として2023年7月に公布、8月17日に発効。
- バッテリーの設計・生産から販売、使用、回収、再利用までを統合的に管理。
- EPRを通じて「汚染者負担原則」を実現し、循環型経済と脱炭素を推進。
規制対象のバッテリー分類
- EVバッテリー:重量25kg以上、自動車・二輪車用
- LMTバッテリー:25kg以下、電動自転車やスクーター用
- SLIバッテリー:自動車用鉛蓄電池など始動・照明・点火用
- 産業用バッテリー:再利用可能、重量5kg以上
- ポータブルバッテリー:5kg以下、産業用途でないもの
EPRの主な義務
- 地域別登録:販売国ごとにEPR登録・番号取得が必要(※実務的には数か月かかる場合あり)
- 認定代理人の指定:EU域外企業はEU域内の代理人を任命
- 費用負担:使用済みバッテリーの回収・リサイクル費用を全額負担
- 表示義務:ゴミ箱マークや成分記号(Li, Pbなど)を表示。2027年以降はQRコードで情報提供も必須
施行スケジュールの要点
- 2024年:化学物質制限や性能表示を導入
- 2025年:EPRの主要義務は2025年8月18日から適用開始(加盟国レジスター登録・回収体制等)
- 2027年:バッテリーパスポートとサプライチェーンのデューデリジェンス開始
- 2031年以降:再生材料の使用率義務化(コバルト16%、鉛85%、リチウム6%、ニッケル6%)
- 2036年:再生材料比率をさらに強化
まとめ
新規則の遵守には、化学物質の含有量分析、カーボンフットプリント算定、再生材比率の確認が不可欠です。企業は、法規スケジュールに沿って優先度を定め、段階ごとに必要な分析データを整備することが求められます。規制対応は単なる義務ではなく、製品の信頼性を高め、持続可能なビジネス基盤を築く鍵となります。
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