韓国環境部は、化学物質の登録及び評価に関する法律(K-REACH)の施行令の一部を改正する改正案を公表しました。

今回の改正は、主にサプライチェーンにおける実務上のボトルネックを解消することを目的としています。具体的には、共同登録時(コンソーシアム内)の費用分担に関する紛争調停機能の強化や、海外メーカーが指定する「唯一の代理人(OR)」の変更手続きの簡素化などが盛り込まれており、利便性が大幅に向上する見込みです。

 

改正の主なポイント

1.共同提出(登録)における紛争調停制度の導入

K-REACHでは、既存化学物質等の登録を複数企業で共同で行う必要がありますが、試験データの購入費用やコンソーシアム運営費の分担を巡るトラブルが頻発していました。

変更点: 費用分担などの共同提出に関する紛争が、環境部が管轄する「化学物質管理委員会」の調停対象に正式に組み込まれました。これにより、当事者間での解決が困難な場合に、公的な調停プロセスを利用することが可能になります。

 

2.唯一の代理人(OR)変更手続きの簡素化

日本をはじめとする海外の化学品メーカーが、韓国への輸出にあたって指定する「OR(Only Representative)」の変更手続きが見直されました。

変更点: 海外メーカーや現地の輸入業者の要望に応じて、ORを他の会社へ切り替える際の手続きが簡素化されます。従来の煩雑な書類審査や遅延が解消され、サプライチェーンの柔軟性が高まります。

 

3.実務への影響

これまで多くの日本企業が韓国向けの共同登録において、現地コンソーシアムとの費用交渉やORの管理に苦慮してきました。今回の法改正により、公的な調停手段が確保されたほか、ビジネスの状況に応じたORの切り替えがスムーズに行えるようになります。

 

まとめ

韓国K-REACHの今回の施行令改正は、制度自体の厳格化ではなく、運用の「適正化・円滑化」を目的とした実務的なアップデートです。

韓国市場へ化学物質を輸出している日本企業にとっては、共同登録における不当な費用請求に対する防衛手段が増え、またORの変更に伴う貿易の中断リスクが軽減されるというメリットがあります。現在、韓国での登録業務を進行中、あるいはORの変更を検討されている企業は、新しい申請手順や調停ルールの詳細を事前に把握し、今後の実務に活用することが推奨されます。

 

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