2026年4月21日、欧州連合官報にて、REACH規則の附属書XVII(制限リスト)を改正する欧州委員会規則「(EU) 2026/859」が公布されました。

今回の改正により、発がん性(カテゴリー1B)を有する「2,4-ジニトロトルエン(2,4-DNT)」がエントリー83として制限リストに追加されました。これにより、従来は「認可」の仕組みで管理されていた欧州域内での使用に加え、域外から輸入される成形品(製品)についても、2,4-DNTの含有が厳格に規制されることとなります。

 

改正の主な内容

1.規制の背景と目的

2,4-DNTは、ポリウレタンや染料、爆薬などの原料・中間体として使用される物質です。欧州域内ではすでに認可対象物質として製造・使用が制限されていましたが、輸入品については法的な制限が不十分でした。今回の措置は、自動車部品やプラスチック製品などの輸入成形品を通じた有害物質の流入を防ぎ、域内・域外製品の安全基準を統一することを目的としています。

 

2.主な制限内容

一般消費者および専門家向けに販売される成形品(製品)について、以下の制限が課されます。

  • 制限値: 成形品中の重量比 0.1%以上 の含有
  • 対象: 2,4-DNT単体、または混合物・成形品中の成分

 

3.今後のスケジュール:

  • 発効日: 2026年5月11日(官報公布から20日後)
  • 適用開始日: 2027年5月11日(※この日以降、制限値を超える製品の上市が禁止されます。ただし、2027年5月11日より前に上市された中古品については対象外となります。)
  • 自動車分野の猶予期間:技術的な複雑さを考慮し、自動車用のマイクロガス発生器(エアバッグやシートベルトプリテンショナー等)およびその交換部品については、2029年5月11日まで適用が猶予されます。

 

まとめ

今回のREACH規則改正により、輸入製品についても2,4-DNTの含有が実質的に禁止されることとなりました。欧州委員会は、すでに域内での使用はほぼ停止しているとしていますが、中国等の第三国から輸入される自動車部品や電子機器、プラスチック成形品を扱う事業者にとっては、サプライチェーンにおける含有確認が必須となります。

特に対象物質が使用されている可能性がある自動車、エレクトロニクス、プラスチック業界の企業は、2027年5月の適用開始に向けて、原材料の監査や代替物質への切り替え状況を早期に点検することが推奨されます。

 

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