2026年3月18日、英国環境・食糧・農村地域省(Defra)は、残留性有機汚染物質(POPs)規則の改正案に関するパブリックコンサルテーションを開始しました。

今回の改正案は、国際的なストックホルム条約の合意に基づき、新たに5つの物質グループを禁止リストに追加するとともに、既存の規制物質に対する管理基準を強化するものです。英国市場に製品を供給する企業にとって、今後の製品設計やサプライチェーン管理に直結する重要な動向となります。

 

禁止リスト(附属書I)への追加提案物質

以下の5物質が、製造・使用・上市の禁止対象として新たに追加されることが提案されています。ただし、一部の物質については特定の重要用途に対する猶予期間(例外規定)が検討されています。

物質名(略称) 主な用途例
中鎖塩素化パラフィン (MCCPs) 難燃剤、金属加工油の極圧添加剤、ポリマー(PVC等)の可塑剤
長鎖ペルフルオロカルボン酸 (LC-PFCAs) はっ水・はつ油剤、潤滑剤、フッ素樹脂の製造助剤
UV-328 自動車用塗料、プラスチック、液晶パネル等のUV吸収剤
デクロランプラス (Dechlorane Plus) 電子機器、自動車部品、電線被覆の難燃剤
クロルピリホス (Chlorpyrifos) 殺虫剤(農薬)

 

すでに禁止されているPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)について、分析技術の向上を反映し、非意図的微量汚染物質(UTC)としての許容限界値をより厳格な数値へ引き下げることが提案されています。

本改正案では、欧州連合(EU)で先行して導入されているポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDEs)の制限値変更など、EU側の動向を英国(グレートブリテン島)の規制にどのように取り入れるかについても意見が求められています。

今後のスケジュール:

  • 意見公募締切: 2026年5月13日
  • 改正法の施行予定: 2026年12月16日

 

まとめ

英国のPOPs規則改正により、2026年末から広範な産業用途で使用されているUV-328やMCCPsなどの使用が事実上禁止される見通しです。

特に対象物質を含む原材料を使用している製造業者や、完成品を英国へ輸出している事業者は、改正法の施行日に向けて、代替物質への切り替えや非意図的な含有レベル(UTC)の確認を急ぐ必要があります。今回の意見公募は、特定の用途における例外措置の必要性を訴える重要な機会でもあるため、該当する産業界は詳細な影響評価を行うことが推奨されます。

 

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