2026年3月30日、欧州委員会は「包装および包装廃棄物規則(PPWR)」に関する最終ガイダンス文書およびFAQを公表しました。これにより、2026年8月12日から開始される食品接触包装におけるPFAS(有機フッ素化合物)の制限措置について、具体的なコンプライアンス指針が明確になりました。
PPWRは、従来の指令(Directive)とは異なり、欧州連合(EU)の全加盟国に直接適用される規則(Regulation)であり、包装の設計から廃棄までを一貫して管理する強力な法規制です。
食品接触包装におけるPFAS制限(2026年8月12日施行)
食品と直接接触する包装材料について、意図的な添加の有無にかかわらず、以下の濃度制限が適用されます。
| 制限項目 | 制限値 |
| 単一のPFAS(非ポリマー) | 25 ppb 以下 |
| PFASの合計(分解性前駆体) | 250 ppb 以下 |
| 全PFAS(ポリマーを含む) | 50 ppm 以下 |
欧州委員会は、コンプライアンス確認の手順として、まず「全フッ素(TF)」を測定し、50mg/kg(50ppm)未満であれば適合とみなす段階的なアプローチを推奨しています。
在庫の取り扱いに関する重要な注意点
本規則では、施行日以降に上市される製品に対して、いわゆる「在庫処分の猶予期間」が設けられていません。
- 2026年8月12日より前に上市された包装: そのまま市場で流通・販売を継続することが可能です。
- 2026年8月12日以降に上市される包装: 制限値を遵守している必要があります。倉庫に保管されている未充填の包装や、施行日以降に通関手続きを行う輸入包装については、即座に規制の対象となります。
その後の主なスケジュール
- 2028年2月: コンポスタブル(堆肥化可能)包装に関する要件の施行
- 2028年8月: 整合化された包装ラベル表示義務の開始
- 2030年1月: 包装の最小化、空隙率の制限、再利用目標などの核心的要件の施行
まとめ
欧州のPPWRによるPFAS規制は、食品包装を取り扱う事業者にとって極めて短期間での対応が求められるハードルの高い規制です。特に「在庫の猶予期間がない」という点は実務上の大きなリスクとなります。
欧州市場へ食品包装やパッケージ済みの食品を輸出している企業は、2026年8月の施行日に向けて、サプライヤーへのPFAS不使用証明の要求や、全フッ素分析によるスクリーニング調査を早期に完了させる必要があります。当社では、PPWRに準拠した分析サービスや技術的な適合性評価を通じて、確実な規制対応を支援いたします。
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