2025年6月3日、インドネシアの伝統薬・健康補助食品・化粧品標準化局(OTSKK)は、化粧品の輸入証明書(SKI Border)申請に必要な試験項目(Certificate of Analysis, CoAに記載すべき内容)を定める規制草案を公表しました。

 

背景

化粧品を輸入する際は、税関での通関前にSKI Border証明書を取得する必要があります。その際に提出するCoAは以下の要件を満たさなければなりません。

  • 認定を受けた製造業者または試験機関が発行すること
  • BPOM(国家食品医薬品監督庁)が指定する試験項目を含むこと

 

主な管理要件

  • 必須項目:微生物汚染試験、重金属試験
  • 対象範囲:20カテゴリーの化粧品(クリーム、フェイスマスク、メイクアップ、石けん、香水、ヘアケア、オーラルケア、日焼け止め、シワ対策製品など)

 

例(フェイスマスク):

  • 全タイプで微生物試験が必要
  • 重金属は製品タイプに応じて水銀(Hg)、鉛(Pb)の検査が必要

 

詳細な試験項目は規制草案の付属書に記載されています。(BPOM公式草案ページ、インドネシア語)

 

CoAに関するその他の要件

  • 有効期間:微生物・重金属の試験結果を記載したCoAは発行日から1年間有効
  • 異なるロットでの輸入:同一製品を異なるロットで輸入する場合、CoAに剤形と官能特性を記載する必要あり

 

まとめ

今回の草案により、インドネシアで化粧品を輸入する際に求められる分析要件がより明確化されました。特に、微生物汚染や重金属の試験はすべての対象カテゴリーで必須とされ、製品の安全性を保証するうえで欠かせない要素となっています。

企業にとっては、次のような点が重要です。

  • 試験データの整備:CoAに必要な試験を漏れなく実施・管理すること
  • 期限の遵守:有効期限(1年)を意識し、適切に更新すること
  • バッチごとの対応:異なるロットで輸入する場合にも、剤形や官能特性を明記すること

今回の規制草案は、消費者安全を確保すると同時に、輸入企業に対し分析データの信頼性を確保するよう求めるものです。分析業務における正確性と透明性が、今後のコンプライアンス対応においてますます重要になっていくでしょう。

 

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