2025年、中国国家市場監督管理総局(SAMR)は新たな強制国家標準「塗料中の有害物質の制限量 第1部:建築塗料(GB 30981.1-2025)」を公布し、2026年6月1日より施行されます。
従来の以下2規格が統合され、制度体系が再編されました:

  1. GB 18582-2020(壁面塗料)
  2. GB 38468-2019(室内床塗料)

 

主な改訂内容

 

1.標準体系の統合・分類変更

  • 建築用塗料は以下に再分類:
    • 水性壁面塗料
    • 床用塗料(屋外用含む)
    • 補助材料(パテ、硬化剤など)
  • 装飾板塗料は新規格「GB 30981.2-2025(工業塗料)」へ移行
  • 一部用途(防水塗料・スポーツ施設用塗料)は別規格で個別規制

 

2.国内原料のみで製造された製品

 

水性壁面塗料

  • 新規:
    • SVOC
    • 総ヒ素(≦60mg/kg)
    • MIT(≦300mg/kg)
  • 調整:
    • VOC指標再設定
    • APEOに「オクチル・ノニルフェノール」を追加

 水性

 

床用塗料

  • 新規:
    • SVOC
    • ハロゲン化炭化水素(≦0.1%)
    • PAHs(≦500mg/kg)
    • MDA(≦1.0%)
    • ホルムアルデヒド(≦500mg/kg)
    • VOC:溶剤型はすべて≦500g/Lに統一

 

床用

 

補助材料

  • より包括的に設定される

 

補助材

 

3.非意図的に含まれる物質

 

農薬成分

  • 含有量が0.1%超で、かつ「農薬管理目録」対象の場合、成分名を中国語で明示(QRコード等でも可)

 

GHS分類に該当する成分

  • 指定閾値を超える場合、GHSに基づく危険表示が必要

 

画像4

 

 

まとめ

今回の国家標準の更新には1年間の移行期間が設けられていますが、企業は早急にコンプライアンス対応を進めなければなりません。

  • 製品分析(2025〜2026年):既存製品が基準を満たすか確認し、不適合品は処方調整
  • 検査費用の事前確認:指標増加によりコスト上昇の可能性
  • ラベル・表示の更新:新基準に基づいた表記への切り替えを準備

 

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