2026年6月15日、英国安全衛生庁(HSE)は、UK REACH規則に基づく高懸念物質(SVHC)の候補リストに、新たに15の物質および物質群を正式に追加したことを発表しました。
今回の更新は、2021年の英国のEU離脱(ブレグジット)に伴う移行期間終了以来、UK REACHにおいて初めて実施された本格的なSVHCリストの拡大となります。
追加された15物質・物質群の概要
追加された物質は、すでに2021年〜2025年にかけて欧州化学品庁(ECHA)によってEUのSVHC候補リストに指定されていたものです。いずれも発がん性、変異原性、生殖毒性(CMR特性)を有しています。
主な対象物質の例:
- TBBPA(テトラブロモビスフェノールA): 電子基板等に使われる主要な臭素系難燃剤(特定理由:発がん性)
- リズメラール(Lysmeral): 化粧品や洗剤等の香料成分(特定理由:生殖毒性)
- テトラグライム(tetraglyme): 工業用溶剤(特定理由:生殖毒性)
- オルトホウ酸ナトリウム塩: ガラスやセラミックス原料(特定理由:生殖毒性)
全ての物質のご確認はこちらから可能です。
事業者に即時発生する主な法的義務
これら15物質が候補リストに収載された日(2026年6月15日)以降、対象物質を取り扱う事業者には以下の義務が課されます。
- 成形品(製品)中の情報伝達義務: 製品中に物質が重量比 0.1% を超えて含まれる場合、下流の事業者や消費者(要求がある場合)へ安全使用情報を提供しなければなりません。
- HSEへの通知(届出): 条件を満たす場合、HSEへ製品中のSVHC含有について届出が必要です。
- SDSの提供義務: 対象物質そのもの、または対象物質を0.1%以上含む混合物を供給する場合、顧客へのSDSの提供や更新が義務付けられます。
まとめ
今回のUK REACH候補リストの拡大は、電気電子機器、化粧品、テキスタイル、食品接触材料など、非常に多岐にわたる産業分野の製品に直接的な影響を及ぼします。特に難燃剤のTBBPAなどはエレクトロニクス業界で広く使われてきた物質です。
英国向けに製品を輸出・流通させている日本企業は、最新のリストに基づき、自社製品における該当15物質の含有状況の有無をただちにサプライチェーンを通じて調査することが推奨されます。含有量が0.1%を超える場合は即時に情報伝達義務等が発生するため、迅速なSDSの更新やコンプライアンス点検が必要です。
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