タイ工業省は2025年6月19日、「工業省大臣令 B.E.2568(2025)第5号」を公布しました。これは、「有害物質法」に基づき、第3種有害物質の製造・輸入・輸出などに関する許可申請、変更、更新手続きを明確化・標準化するものです。
背景
「有害物質法」は、タイでの化学物質の製造、輸出入、使用、廃棄等を規制する主要法です。有害物質は危険度により4分類され、第3種については主管官庁の許可が必要です。この法の監督と執行は、工業省を中心に、農業省、漁業省、畜産省、食品医薬品局、工業工場局、エネルギー貿易局の6つの関係省庁が連携して行っています。これまでも大臣令により手続きが定められてきましたが、今回の改正は「電子行政サービス法 B.E.2565(2022)」に準拠した手続きのデジタル化を目的としています。
電子手続きの導入
許可申請、変更、更新などは、電子行政プラットフォームを通じて行うことが基本となり、電子許可証が発行されます。電子対応が難しい場合は、主管部門の指定場所で手続きすることも可能です。
許可証の変更・更新
許可証の情報変更には、既存の許可証と書類を添えてオンライン申請が必要です。承認後は内容が更新され、新たな電子許可証が発行されます。ただし、許可証の変更では、有害物質の名称、化学式、配合比、危険性または製剤形態などの変更は対象外です。関連する製造、輸入、輸出または所持活動を継続したい場合、コンプライアンスの更新申請書(WoAo.9)を行い、承認されると電子許可証が更新されます。
まとめ
これらの手続き要件はすでに実務で実施されていましたが、今回公布された大臣令は、タイの行政のデジタル化を推進するために、法的な側面からさらに規範化を目指しています。
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