2025年4月、世界各国で食品規制に関する重要な制度改正や立法計画が発表されました。化学物質や食品接触材料(FCM)に関連する動向も多く、食品業界におけるリスクマネジメント・コンプライアンス対応の必要性が高まっています。DGERでは、以下の注目ポイントをまとめました。
日本:赤色3号の自主検査を要請
消費者庁は4月21日、食品添加物「赤色3号(エリスロシン)」の使用に関する自主的な検査を食品事業者に求めました。これは米国FDAが赤色3号の食品等への使用を取り消したことを受けた対応で、日本でも安全性評価が行われています。
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その他の日本関連情報:
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食品接触材料への「第一種特定化学物質」の使用禁止を提案
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残留農薬基準(MRL)を9農薬について改正
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中国:2025年国家食品安全標準立法計画(草案)を公表
国家衛生健康委員会(NHC)は4月15日、食品安全リスク管理を強化するため、60件の優先GB標準の策定・改正計画を草案として公表しました。対象分野は食品製品、表示・機能性表示、添加物、食品接触材料、試験方法、衛生要件など多岐にわたります。意見提出は4月24日まで。
その他の中国関連情報:
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2025年3月、中国税関(GACC)は231件の輸入食品を不合格と判定
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乳児用特別用途食品(FSMP)の登録に関するQ&A文書を公表
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台湾、紫外線処理アガリクス粉末の使用制限案を提示
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香港、こんにゃくゼリー製品の規制を提案
韓国:栄養表示の義務対象を拡大
食品医薬品安全処(MFDS)は、食品表示基準を改正し、栄養表示の対象となる食品の範囲を拡大しました。主要な用語や輸出食品へのハングル表示要件については即日施行、それ以外の改正内容は2026年1月1日施行予定です。
その他の韓国関連情報:
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再生プラスチック利用を促進するための法改正
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オンライン広告における不当表示監視強化へ
東南アジア:インドネシアが食品・サプリ法改正計画を策定
インドネシアBPOMは、2025年の食品および健康補助食品分野に関する法令計画(BPOM規則第278号)を発表しました。表示、登録、輸入、流通、リコールなどを含む規制整備の強化が盛り込まれています。
その他の東南アジア関連情報:
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食品包装用紙に関する義務規格をWTO通報
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中小企業向け無料ハラール認証100万件プログラムを開始
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高pH飲料水の登録要件を明確化
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ベトナム、動物製品検疫に関する政令改正案をWTOに通知
インド:乳製品類似品(アナログ)に関する規制を発表
インド食品安全基準庁(FSSAI)は、「乳製品のアナログ(代替品)」に関する規制強化を目的とした協議文書を公開し、60日間の意見募集を実施中です。
その他のインド関連情報:
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消費者による虚偽表示報告のための新デジタルツールを導入
欧州連合(EU):食品添加物と新規食品に関する3規則を公布
4月、EUは複数の食品添加物および新規食品に関する規則を制定しました。該当物質には、脂肪酸のモノ・ジグリセリド(E471)、カルナウバロウ(E903)、レシチン(E322)、ステビオール配糖体(E960b)などが含まれます。
その他のEU関連情報:
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フルアラネルのMRL(残留基準値)改正
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動物性添加物や乳製品の輸入条件の見直し
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動物衛生証明書類の様式を改正
米国:石油由来合成着色料段階的防止を発表
米国FDAおよびHHSは4月22日、食品から石油由来合成色素を段階的に排除する全国的措置を発表しました。「Make America Healthy Again(MAHA)」政策の一環として、食品の安全性向上を図ります。
その他の米国関連情報:
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酒類ラベル表示規則案の意見募集期間を延長
オーストラリア/ニュージーランド:NMN含有製品の違法性を再確認
4月7日、オーストラリアTGAはNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)およびNAD関連物質を含む製品の流通・宣伝に関する警告を改めて発表。これら成分は豪州で医薬品として未承認であり、ARTG未登録の製品販売は違法とされます。
その他のANZ関連情報:
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アルコール飲料への糖分表示を許可
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培養ウズラ肉を新規食品として承認
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加工助剤・遺伝子組換え食品に関する規則改正(Amendment No. 236)
DGERによるカスタムアラートサービス
上記のような国際的な食品規制動向に対して、DGERではカスタマイズ型のリスクモニタリング&アラートサービスを提供しております。製品分野・対象国・法改正の影響範囲を分析し、御社のコンプライアンス体制を強化します。
詳細・ご相談は、お気軽にお問い合わせください。