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【ニュース】米国:EPAがトリクロロエチレン(TCE)のTSCAコンプライアンス期限の再延長案を提示

米国環境保護庁(EPA)は、有害物質規制法(TSCA)第6条に基づき策定を進めているトリクロロエチレン(TCE:Trichloroethylene)のリスク管理規則について、特定の重要用途における遵守期限(Compliance Deadlines)をさらに延長する改訂提案を公表しました。

TCEは発がん性等の重大な健康懸念から原則として広範な用途の禁止が方針付けられていますが、航空宇宙、半導体、医療機器などの重要サプライチェーンへの急激な影響を緩和するため、段階的な移行期間が再調整されます。

期限延長提案の背景と対象分野

TCEは、金属部品の精密脱脂洗浄剤、化学合成中間体、接着剤やコーティング剤の成分として広く利用されてきた有機塩素系溶剤です。

  • 重要分野における代替困難性: 航空宇宙・防衛、半導体製造、基幹インフラ、特定医療機器の製造現場など、極めて高い清浄度や特殊な化学的物性が求められる用途において、直ちの代替品移行が困難である実態を踏まえ、産業界の要請に応じた移行期間の延長が盛り込まれました。
  • 作業環境安全プログラム(WCPP)の徹底: 期限が延長される用途においても、継続使用には厳しい条件が課されます。EPAが設定する極めて低い作業場ばく露限界値(ECEL)の達成、定期的な空気中濃度モニタリング、および適切な保護具の配備を定めた包括的な作業場安全管理プログラム(WCPP)の遵守が前提となります。

米国向け輸出企業に求められる実務対応

コンプライアンス期限が延長されたとしても、EPAによるTCEの包括的な廃絶・規制方針自体に変更はありません。米国市場へ化学品、機械部品、電子材料等を供給する企業は、以下の対策を継続・強化する必要があります。

  • 製品および洗浄工程におけるTCE含有スクリーニング: 自社製品の成分だけでなく、製造ラインの脱脂・洗浄工程で使用される溶剤由来の微量残留・非意図的混入がないかを精密機器分析(GC-MS等)により確認する。
  • 代替溶剤・洗浄技術の早期評価: 猶予期間内にTCEフリーの代替洗浄剤や代替プロセスへの移行テストを完了させ、サプライチェーンからの排除を計画的に進める。
  • TSCA適合性(Positive Certification)の管理: 米国通関時におけるTSCA適合証明を維持するため、自社製品が禁止対象用途に該当しないこと、および含有ステータスを客観的データに基づいて証明できる体制を整える。

まとめ

米国TSCAにおけるトリクロロエチレン(TCE)の規制動向は、期限の再延長という一時的な猶予が示されたものの、規制の厳格化と将来的な全廃に向けた動きが着実に進んでいます。

特に製造工程の脱脂洗浄等に起因する微量残留や不純物としての混入は、通関ストップやTSCA違反に直結するため、客観的な精密化学分析(GC-MS等)によるエビデンスの確保が不可欠です。米国向けに部材、機械、電子部品、各種化学品を展開するメーカーや商社は、早期の含有スクリーニングと代替化の検証を推進することが強く推奨されます。

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