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【ニュース】国連:GHS改訂第12版(Rev. 12)のドラフト案が公表、物理危険性分類と注意書き(Pコード)が大幅刷新へ

国連・化学品の分類および表示に関する世界調和システム専門家小委員会(UN SCEGHS)は、将来的に発行される国連GHS改訂第12版(UN GHS Rev. 12)に組み込まれる予定の主要改訂草案を公表しました。

今回のドラフトでは、引火性液体やエアゾール等の「物理化学的危険性」の分類基準が精緻化されたほか、水反応性物質や自然発火性物質の皮膚接触時における「注意書き(Pステートメント)」が物質の性状(液体・固体)に応じて抜本的に見直されており、将来的に各国のGHS規格、SDS(安全データシート)、製品ラベルの表記へ直接的な影響を及ぼします。

ドラフト案における主な改訂ハイライト

  • 物理化学的危険性の基準明確化: 引火性液体、エアゾール製品、複合的な物理ハザードの組み合わせ判定基準が整理されたほか、生殖細胞変異原性等の健康有害性評価における非動物試験アプローチの取り込みが検討されています。

  • 水反応性・自然発火性化学物質に対するPコードの刷新: 水と接触して引火性・有毒ガスを発生する物質や自然発火性物質について、従来の「水で直ちに洗い流す」という画一的な応急処置ではかえって危険(発火・激しい反応)を招くケースがあったため、状態に応じた実践的な手順が新設されました。

    • 液体の場合(Liquids only):

      • 新設コード P302+P343:「皮膚に付着した場合:直ちに余剰の化学物質を吸い取り(拭き取り)、冷水に浸すこと」。

      • SDS記載要件: メーカーや供給者は、拭き取りに使用すべき吸収材の材質(吸着キット、綿布、ウエス、ペーパータオル等)をSDSまたは補足安全情報に具体的に明記しなければなりません。

    • 固体の場合(Solids only):

      • P302+P335+P339:「皮膚に付着した場合:直ちに付着した粒子を払い落とし、冷水に浸すこと」。

      • 自然発火性固体(区分1)については、粒子を払い落とした後に「冷水に浸すか、濡れた包帯で覆う」処置(P302+P335+P334)へと改訂されます。

  • 今後の国際展開と企業に求められる実務対応

    国連GHSの改訂内容は、その後、欧州(CLP規則のATP)、米国(OSHA HCS)、日本(JIS Z 7252 / 7253)、中国(GB国家標準)などの各国法令・国家規格へ順次ローカル法制化されていきます。

    • 物理的危険性試験(GHS物性試験)データの再点検: 引火点、燃焼性、自己反応性、水反応性などの物性データが正確に測定されているか、既存の試験結果や分類根拠を再検証する。

    • 応急処置情報およびSDS記載内容の見直し準備: 特に水反応性原料や有機金属化合物、引火性特殊溶剤を取り扱う企業は、将来的な改訂を見据え、作業現場や顧客向けSDSにおける拭き取り資材の選定や応急措置手順の精査を進める。

    まとめ

    国連GHS改訂第12版(Rev. 12)のドラフト公表は、化学品の危険有害性伝達が「形式的な表示」から「実際の現場安全性に即した精緻なハザード伝達」へと進化していることを示しています。

    特に物理的危険性の正確な判定や、水反応性・自然発火性物質の精密な性状評価には、信頼性の高い客観的な化学分析・物理危険性試験データが不可欠です。グローバルに化学品、電子材料、特殊コーティング剤、原料を出荷しているメーカーや商社は、早期に自社製品のGHS分類根拠とSDS記載内容の総点検を進めることが強く推奨されます。

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