フランス政府は、廃棄物対策と循環型経済のために包装上の鉱物油を禁止する法律を2020年2月に公布しました。
更に、2022年5月には新たに省令を公布し、鉱物油の定義と制限値を定めました。一般向けの包装・印刷物への使用を禁止する鉱物油に含まれる物質が指定され、今後段階的に禁止される予定です。
フランスでは、2023年1月以降包装材料への鉱物油の利用を禁止する法律が公布されました。

鉱物油の使用は、次のように段階的に禁止されます。

①2023 年 1 月 1 日以降、1～7 個の芳香環からなる鉱物油系芳香族炭化水素（MOAH）の規制値は 1%とする
②2025年1月1日以降の要件： 　1.　1～7個の芳香環からなる鉱物油系芳香族炭化水素（MOAH）の規制値を0.1％とする
　2.　3～7個の芳香環からなる鉱物油系芳香族炭化水素（MOAH）の規制値は1ppmとする
　3.　炭素数16～35の鉱物油飽和炭化水素（MOSH）については0.1％とする

※鉱物油：数千種類の異なる構造と大きさの化合物を含む複数の炭化水素の混合物です。
主原料は原油・石炭のほか、天然ガス・バイオマスからも合成的に生産されています。
鉱物油は良好な添加剤または溶剤であり、インク、防腐剤、殺虫剤、光沢剤、潤滑剤、帯電防止剤、軟化剤、殺菌剤、再生紙などによく使用されています。

※包装材：商品を収納・保護し、その取り扱いや生産者から消費者または使用者への輸送を可能にすることを意図したあらゆる物品を指します。
同様の目的で使用されるすべての「使い捨て」物品は、包装材とみなされます。