本改正は、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)における廃絶決定を受けた国内担保措置であり、中鎖塩素化パラフィン(MCCP)やクロルピリホス、長鎖ペルフルオロアルカン酸(LC-PFCA)類が新たに化審法の「第一種特定化学物質」に指定されます。
政令は2026年5月22日に公布されており、2026年11月22日より全面施行されます。
新たに第一種特定化学物質に指定される4物質群
以下の物質群について、日本国内での製造・輸入および指定用途以外での使用が原則禁止となります。
- 中鎖塩素化パラフィン(MCCP): 炭素数が14から17までのもので、塩素含有量が重量比45%以上のもの。
- クロルピリホス: 有機リン系殺虫・防腐成分。
- 長鎖ペルフルオロアルカン酸(LC-PFCA)及びその塩: 炭素数が9から21までのフッ素系有機化合物。
- LC-PFCA関連物質: 体内で分解されてLC-PFCAを生成する前駆体物質。
輸入禁止製品(成形品・材料)の指定
指定物質そのものだけでなく、これらを含む以下の製品・部材についても日本への輸入が全面的に禁止されます。
- MCCP含有製品: 潤滑油、切削油、作動油、樹脂・ゴム・生地用難燃添加剤、可塑剤、塗料、接着剤・シーリング材など。
- クロルピリホス含有製品: 木材用の防虫剤。
- LC-PFCA(および関連物質)含有製品: 潤滑油、塗料、撥水・撥油処理された生地・衣服・床敷物、接着剤・シーリング材、ワックス、消火器・消火薬剤など。
企業に求められる緊急対応
2026年11月22日の施行に向けて、自社製品および調達部材における対象物質の非意図的含有・残留リスクを至急監査する必要があります。
- 自社製品・輸入部材の含有スクリーニング: 金属加工油、樹脂添加剤、コーティング剤、撥水処理布帛などにMCCPやLC-PFCAが残留・混入していないか精密機器分析を実施する。
- 不純物・閾値の検証と代替化: 意図的添加を停止するだけでなく、製造プロセス由来の不純物レベルが技術的・経済的限界値に適合しているかを客観的データで立証する。
まとめ
今回の化審法改正により、産業界で広く使用されてきた難燃剤・可塑剤(MCCP)やフッ素系撥水剤(LC-PFCA)の日本国内での流通・輸入が厳しく制限されます。
特に11月22日の施行日以降は、対象物質を含有する製品・材料の通関がストップするため、客観的な精密化学分析(GC-MS、LC-MS/MS等)による不含有証明が供給網の維持において不可欠となります。日本市場へ化学品、機械部品、消費財、各種資材を出荷しているメーカーや商社は、速やかに分析スクリーニングを進めることが強く推奨されます。
